【血液と美肌との関係】
キメが細かく、張りがあり、艶々で、ぷるるんとしていて、
明るく輝いた肌!
ああ、そんな美しい肌になりたいなぁ。
今回は血液と美肌との関係について、お話したいと思います。
肌の輝きと、血液はとても密接な関係にあります。
体中に張り巡らされた毛細血管は、複雑な網をなしていて、絡み合った糸くずのようにも見えるほど。この密集した毛細血管だけを取り出したとしても、人の形をそのままに保っています。
その数なんと100億本。
血管の99%はこの毛細血管で、60兆個とも37兆個ともいわれる全ての細胞の至近距離まで張り巡らされています。肌の直ぐ下には、この毛細血管が密集しているのですから、肌の色を左右するのは当然のことだと言えそうです。
赤い血液の色は赤血球の持つ色素です。
酸素とヘモグロビンが結合して、色はさらに明るく、鮮やかになります。
逆に酸素を手放した赤血球は黒みを帯び、さらに鉄欠乏症になると、色褪せくすんでしまいます。
この血液の色が肌の色に直結しています。
そもそも血液の働きは、全ての細胞に、栄養と酸素を運ぶ重要な役割を担っていて、明るい色をした赤血球が全身に酸素を運んでくれると、身体の組織の働きが盛んになり、新陳代謝を促していきます。
肌で言えば、新しい細胞との入れ替わりが進み、きめ細かく、みずみずしい肌を保ちやすくなります。
そして赤血球自身も代謝をしています。
赤血球の寿命は約120日。
赤血球は水、脂質、ヘモグロビン(たんぱく質)といった物質から構成されていて、骨髄で生成され、古くなると脾臓で分解され排出されます。
赤血球を生成する上で、体内で合成できない「鉄」「ビタミンB12」、そして「葉酸」が重要な栄養素とされています。
残念ながら日本では、全体の4分の1の女性が鉄不足だと言われています。
献血不適合者が、男性の2%に対して女性は約30%と多く、大きな問題とされています。
鉄は生命維持に不可欠な重要成分のひとつで、不可欠な故に、人には「貯蔵鉄」として肝臓や脾臓、骨髄に鉄を蓄える仕組みが備わっています。
生まれてくる赤ちゃんも、約9ヶ月も賄えるほどの鉄をお母さんから受け取り、蓄えて生まれます。
貯蔵鉄のおかげで、私たちは数日鉄が不足してもすぐに貧血に繋がることはありません。しかし、だからこそ注意が必要です。
鉄が不足すると、まず貯蔵鉄が使われ「潜在性鉄欠乏症」になります。
一般の健康診断からは発見されず、「隠れ貧血」とも言われています。
貯蔵鉄から血液中に補充できなくなると、ついに貧血になるというわけですが、検査して診断される貧血になるということは、貯蔵鉄を使い果たすほどの失血があった、もしくは鉄不足の状態が数ヶ月も続いた結果だという、深刻な状態だと言えるのではないでしょうか。
貧血になると、赤血球の劣化、変形などが見られ、めまい、だるさ、疲れが取れない、爪がもろい、割れる、また、階段や坂道で息切れする、冷え性、肩こり、うつ病、耳鳴り、味覚異常、異味症(いみしょう)などの症状が現れます。
酸素不足を補うために心臓に大きな負担が掛かることにもなり、また認知機能の低下を招く場合もあります。軽度の「潜在性鉄欠乏貧血」であったとしても、うつ病との重要な関わりがあることもわかっています。
また、鉄は体内で酸素を運搬する他にも、ブドウ糖からエネルギーを生み出すために重要な役割を果たしたり、活性酸素から身体を守ったり、筋肉中に酸素を蓄える構成成分になったりと、その働きは多様です。
1日に必要な鉄分の摂取推奨量は成人男子7mg(18~29歳、70歳以上)、7.5mg(30~69歳)、成人女子10.5mg (月経あり)、6.5mg(月経なし)とされています。
鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収を高めます。また銅や亜鉛などとバランス良く摂ることも勧められています。
調理に鉄鍋などの鉄器を常用するのもお勧め。
写真は南部鉄器「壱鋳堂」さんのの鉄偶シリーズ「ビーナス」。
ビーナスさんと一緒に沸かした白湯を飲む、スープに入れるなど愛用している逸品です。
鉄分の摂取についてはまた別の機会にもう少し掘り下げてお話したいと思います。
偏食や不規則な食事、外食過多、無謀なダイエットなどで大切な鉄分が不足しないよう心掛けて「血色の良い肌」「明るい顔色」「輝く肌」をめざしたいですね!
鉄分の多い食品
豚レバー、鶏レバー、大豆、豆味噌、納豆、卵の黄身、しじみ、あさり、煮干し、いわし丸干し、ビーツ、アマランサス、赤レンズ豆、青のり、ひじき、焼き海苔、ごま、キクラゲ、切り干し大根、抹茶など
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